夢主義社会トップへ 東証システム障害の本質的原因   2005年11月02日  戻る

昨日、11月1日に、東京証券取引所でコンピュータシステムに障害が発生し、3時間に渡って取引が停止しました。原因は10月のシステム増強時の、プログラムミスとのことでした。プログラムを修正した時に、充分なテストを行っていなかったため、11月に月変わりした日に、障害が発生したそうです。

コンピュータシステム開発において、事前に充分なテストを行うことは、基本的なことです。少なくともシステムエンジニア(SE)であれば、テストの重要性は充分に認識していたはずです。それが、充分なテストを行わずに、本番に至ったのは何故か? コンピュータシステム開発において、充分なテストを行わないのは、手抜き工事と言えます。

本質的原因は、JR西日本の福知山線脱線事故と同じだと思います。
上に立つ人間たちが、現場の状況を踏まえず、一方的に、限られた日数と予算で行うように、担当SEたちに指示した。結果、担当SEたちは、無理をして、大きなシステム障害を引き起こしたということです。
そして、上に立つ人間たちは、ゴルフや懇親会に明け暮れています。上に立つ人間たちが、その地位を維持するためには、人間関係が大切です。そのためには、ゴルフや懇親会は、必須要素なのです。
このような上に立つ人間たちが、高い報酬を得ているために、現場に充分な予算が回らず、結果として、充分なテストを行うことができず、大きな障害が発生したということです。

解決策は、上に立つ人間たちの報酬を、担当SE以下にすることです。上に立つ人間たちは、実際に働いていない分けですから当然です。そして、現場に充分な予算を回すことが重要です。

私も、以前は、システムエンジニア(SE)だったのですが、顧客に提示するSEの単価は、SE本人の給与の3倍から5倍でした。SEの単価には、幹部社員、営業、総務等の人たちの人件費がドーンと上乗せになってる分けで、当然の価格とも思えますが、顧客がその費用をそのまま負担してくれるハズもありません。その差額が、現場としては、大きな負担となり、大きな障害が発生します。