人の脳は、大脳・小脳・脳幹から成り立っています。
脳幹は、他の動物も持っていて、生きていくための基本的な機能を持っています。
大脳は、記憶がメイン機能です。
人は、他の動物に比較して、大脳が大きいことが特徴です。
人は、外界の状況に応じて、本能だけで行動するのではなく、
大脳に記憶された情報を基に、判断して行動します。
そして、その結果をまた大脳に記憶します。
この繰り返しを総じて、心・精神・感情と称しています。
この大脳が、たいへん大きいため、他の動物には無い多様な心・精神・感情を持つことができました。
つまり、心・精神・感情といったものは、脳の中で行われている物理的な化学反応に過ぎません。
人のチョットしたミスから、大きな事故、犯罪、欲望等の、人の問題行動の原因を、
心・精神・感情といった神憑り的な言葉で表現すると、本質を見失ってしまうように思えます。
人の問題行動の原因を、脳の中で行われている物理的な化学反応であると考えて、
対策を考えれば、もっと適切な対策が出てくるのではないでしょうか。
人の脳を、高性能バイオコンピュータと考えるならば、
人間は、脳の中に記録されたプログラムに従って、外界からの刺激に反応して行動しているのに過ぎません。
人間の脳の中には、本能や欲望だけでなく、理性があります。
この理性によって本能や欲望をコントロールできれば良いのですが、
時として、その理性が正しく機能しないことがあるようです。
特に最近、そういうケースが増えているようです。
人が行動するには、脳の中にその行動プログラムが存在している必要があります。
その行動が、意識的か無意識かに関わらず、
脳の中にその行動プログラムが存在していたから行動できたのです。
様々な犯罪や異常行動も同様であり、その人間の脳の、潜在意識の中に、
犯罪や異常行動のプログラムが存在していたと考えられます。
その行動プログラムのスイッチが、チョットしたきっかけで、ONになったと考えられます。
最近、テレビや映画等で犯罪や異常行動のシーンを見る機会が多いため、
その行動を脳にインプットする機会が増え、犯罪増加につながっていると考えられます。
特に、子供の頃は、感受性が高いために、目で見た映像が強く脳に記憶されます。
潜在意識の中に記録されてしまうと、無意識の間に、その行動を実行してしまう可能性が高くなります。
一度、脳に記録された情報や行動プログラムは、消すことはできず、
意識・無意識に関わらず、何度も同じ過ちを繰り返すことになります。
裁判では、被告の精神状態が問題になるようですが、
大切な事は、社会に害を及ぼす可能性の高い人間を、社会に放置しないことです。